健康経営とは?

昨今「健康経営」という単語に触れる機会が増えていますが、深く理解している人はあまり多くないのではないでしょうか。
経済産業省「企業の「健康経営」ガイドブック」(以下、「ガイドブック」)によると、「健康経営」は次のように定められています。

従業員の健康保持・増進の取組が、将来的に収益性等を高める投資であるとの考えの下、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践すること

この考えのもとでは、従業員の健康に対する取組を、「コスト」ではなく、「医療費の適正化」「生産性の向上」ひいては「企業イメージの向上」」などにつながる「投資」であるととらえることになります。

なぜ、今?

「健康経営」の考え方が求められるようになってきた理由は、企業の視点においては、大きくわけて2つあります。

 

健康保険料上昇による企業負担増加

日本において、国民の医療費は毎年増加の一途をたどっています。
これが健康保険組合等の財政悪化を招き、結果として健康保険料の上昇というかたちで、企業負担の増加につながっています。

生産年齢人口の減少

少子化によって、生産年齢人口が減少している状況下では、従業員の健康状態の悪化は企業の生産性を低下させるのみならず、人材定着率や有能な人材の確保にも悪影響が生じます。

健康経営のメリット


冒頭「健康経営とは」にあるように、健康経営は次のようなメリットを企業にもたらしてくれます。

従業員の健康保持・促進

生産性の向上

企業イメージの向上

 

そして、これらによって「組織の活性化」「企業業績等の向上」にも寄与することになるでしょう。
実際に、厚生労働省が東京証券取引所と共同で選定した「健康経営銘柄2016」(25業種25)は、TOPIXとの比較で、株価が優位に推移しており、市場から高く評価されていることがうかがえます。

健康経営を目指そう

実際に健康経営を実践していくうえでは「経営理念・方針」、「組織体制」、「制度・施策実行」、「評価改善」の各段階においての取組が求められており、ガイドブックではそれぞれについて次のように説明がなされています。

① 経営理念・方針への位置づけ

健康経営を経営理念の中に明文化することで、企業として健康経営に取り組み姿勢を従業員や投資家等、様々なステークホルダーにメッセージとして発信することが望ましいです。

② 組織体制づくり

従業員の健康保持・増進に向けた実行力ある組織体制を構築することになりますが、その際には専門部署の設置や人事部など既存の部署に専任職員、兼任職員を置くなどの対応が考えられます。
また、取組の効果を高めるために、従業員の健康保持・増進を担当する職員については専門資格を持つ職員を配置することや研修の実施などが重要です。

③ 制度・施策の実行

事業主としての企業、産業医や保健師等の産業保健スタッフ、健康保険組合、従業員等様々な主体が関与して実施されるものです。
健康経営を行う上では、これらの主体が互いに連携し、相互補完的または相乗的な効果のある効率的な制度・施策がなされることが望ましいです。

④ 取組を評価する

取組の評価にあたっては、構造、過程、成果の3視点で健康経営を評価することが重要です。

まずは、健康経営優良法人を目標に!

ガイドブックの説明に従って取組を実践することで「健康経営」を達成できるわけですが、抽象的な事柄が多く、非常に難解です。
経済産業省では健康経営を実践している企業を表彰する制度として「健康経営優良法人認定制度」を設けています。
制度には、具体的な「認定基準」が設定されており、要件を1つずつ満たしていくことで、自ずと「健康経営」を達成することが可能です。

【「健康経営優良法人」の認定基準】

※ 「中小」は中小規模法人部門(①製造業その他:300人以下、②卸売業:100人以下、③小売業:50人以下、④医療法人・サービス業:100人以下の法人)対象、「大」は大規模法人部門(中小規模法人部門以外)向け。

1.経営理念(経営者の自覚):必須要件

健康宣言の社内外への発信
経営者自身の健診受診(中小)

※「健康宣言」の策定方法に困ったときはドクタートラストにご相談ください。

2.組織体制:必須条件

健康づくり担当者の設置(中小)健康づくり責任者が役員以上(大)

 

3.制度・施策実行(大:①~⑭のうち、⑪項目以上満たす必要あり)

従業員の健康課題の把握と必要な対策の検討:①~④のうち、2項目以上満たす必要あり(中小)
① 定期健診受診率(中小は実質100%)
② 受信勧奨の取組
③ ストレスチェックの実施
④ 健康増進・過重労働防止に向けた具体的目標(計画)

→健診結果の有効的な活用には、実務経験豊かな保健師の活用がおすすめです

健康経営の実践に向けた基礎的な土台づくりとワークエンゲージメント:⑤~⑦のうち、少なくとも1項目満たす必要あり(中小)
⑤ 管理職または一般社員に対する教育機会の設定
⑥ 適切な働き方実現に向けた取り組み
⑦ コミュニケーションの促進に向けた取組

従業員の心と身体の健康づくりに向けた具体的対策:⑧~⑭のうち、3項目以上満たす必要あり(中小)
⑧ 保健指導の実施または特定保健指導実施機会の提供(中小)、保健指導の実施および特定保健指導実施機会の提供(大)
⑨ 食生活の改善に向けた取組
⑩ 運動機械の増進に向けた取組
⑪ 受動喫煙対策
⑫ 従業員の感染症予防に向けた取組
⑬ 長時間労働者への対応に関する取組
⑭ 不調者への対応に関する取組

→過重労働者対策、メンタルヘルス対策に外部相談窓口の設置はお済ですか

取組の質の確保(大):必須要件
専門資格の付与(産業医または保健師が健康保持・増進の立案・検討に関与)

 

4.評価・改善:必須要件

取組の効果検証(混交保持・増進を目的とした導入っ策への効果検証を実施)(大)
保険者との連携(中小:(求めに応じて)40歳以上の従業員の健診データの提供、大:健保等保険者と連携)

5.法令遵守・リスクマネジメント:必須要件

従業員の健康管理に関連する法令について重大な違反をしていないこと(自主申告)

健康経営には、健康経営セミナーがおすすめです

「健康経営優良法人」としての認定を受ける・受けないにかかわらず、従業員の健康に重きを置いた企業戦略はもはや必須の課題といえます。

その際に非常に効果を発揮するのが「健康経営セミナー」です。
健康経営セミナーでは、企業の担当者を対象とし、各種施策を実行していくうえでの取り組み方をレクチャーするとともに個別のお悩みにお応えする「無料セミナー」、社内での教育や研修を目的とし、実務経験豊かなドクタートラストの保健師が出前セミナーを行う「保健師セミナー」をご用意しています。

<参考>
・経済産業省「企業の「健康経営」ガイドブック」
・経済産業省「健康経営優良法人認定制度」
・経済産業省「健康経営優良法人認定基準」
・経済産業省・株式会社東京証券取引所「健康経営銘柄2016―選定企業紹介レポート―」